旅程未定

瀬戸内海を飲み干したい

202309欧州旅行記|10 散策 カレル橋

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5日目 9月7日(木曜日)のつづきのつづき

 

 

ズリーチンからトラムを乗り継ぐこと約30分、Praha Masarykovo nádraží(プラハ・マサリク駅)に着いた。

直線距離にして500m足らずの至近距離に位置する国際ターミナル、プラハ本駅と比べると少々こじんまりとした印象だ。プラハ・マサリク駅は現プラハ本駅よりも26年早い1845年にプラハ駅として開業しているので歴史的にはこちらが本駅である。本駅の座を譲ったマサリク駅は国内ローカルが発着するターミナルとして旧市街の東に鎮座している。

天窓から差し込む柔らかい光に包まれた駅構内は市民の憩いの場になっていて、どこか穏やかに時間が流れているような気がする。何とも居心地が良いのでここで昼食をとることにした。

プラハ名物バーガーキングで腹ごしらえを済ませた。絶好のお散歩日和なので旧市街をぶらついてみる。

 

 

順張り観光のリベンジとしてブルタバ川沿いをカレル橋に向けて歩く。文句無しの快晴で心まで晴れ晴れとする。カレル橋越しにプラハ城を望む、プラハスターターセットのような景観だ。

右に視線を向ければタトラが転がっており、ついついそちらを見てしまう。旧市街の道の狭さ由来の慢性的な渋滞に紛れて路面電車がやってくる。トラムが電停に停まれば真正面から写真が撮れるので私にとってはこの道の狭さは好都合だ。後ろで待たされている車はたまったもんじゃないだろうが。

 

 

川沿いを歩き、もうすぐカレル橋というところで路肩に停まっていた1台の車が目に留まった。その車のボンネットにはアルバニアの国旗が掲げられていた。
鍵垢に「アルバニアファミリー居たわ」とでも呟こうとしてこっそりスマホで写真を撮ったら、彼らに見つかってこちらへと寄ってきた。まずい。まあ完全にこちらが悪いのだが。

 

身構えていた私に彼は、「俺たちのこと撮ってくれよ」と言ってきた。心底ほっとした。彼らのポーズはアルバニアの国旗にも描かれている双頭の鷲のジェスチャー。この日の晩にはチェコアルバニアとが対戦するサッカーの試合があり、その観戦に来ていたと思われる。

写真を送って欲しいとのことなのでメールで送ったら喜んでもらえた。赦されたようである。むやみに人にカメラを向けてはいけないという教訓を得た。

 

 

やっとのことでカレル橋に辿り着いた。橋詰は人でごった返していて帰りたくなってしまった。プラハ城もカレル橋もスルーするのは忍びないので先へと進んでみると意外にも空いている。

 

欄干にもたれて北側を眺めていると、右隣にやってきた男性から「日本人ですか?」と話しかけられた。日本語で会話するのはアーランダ空港でオタクと別れた時以来だ。これまでの旅のこと、ここから先の旅のことを語り合うひと時を過ごした。ベルリンからの列車の食堂車で飲むビールが格別だったという話をしたところ、これから行ってみると言いチケットを手配し始めた。最終目的地リスボン以外は何も決めない自由な旅だそうだ。2週間の休みを取るのでひいひい言っていた私には想像し難い。

 

プラハ本駅へと向かう彼を見送ってからしばらくして、私もカレル橋を離れることとした。踵を返して宿のある東側へと向かう。今振り返ってみると、カレル橋を渡り切らないまま日本に帰って来たらしい。私の中で世界的観光地の扱いはこんなもんである。

 

 

一旦宿に戻り、15キログラム程の重りを肩から降ろした。カメラバッグを背負っての散策は体力ゲージを消耗する。

一息ついたらGRを片手に、ディナーがてら旧市街散策と洒落込むとするか。

 

 

つづく