旅程未定

瀬戸内海を飲み干したい

202305韓国|2 釜山の思い出の地へ

true3014.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

5月27日土曜日

硬いマットから身を起こした。ダラダラと二度寝しているうちに時刻は8時を回っていた。

快活のように時間料金を気にしなくてよいのもあって、ついつい長居してしまう。

 

今日は16時発の列車で釜山を発つこと以外決まっていない、ブログタイトルらしい旅程未定な日である。空は分厚い雲が覆っている。適当に釜山近辺をぶらついてみる。

 

 

 

まずは朝食から。釜山の朝はテジクッパで始まる。

 

地下鉄1号線を南へ。西面駅で下車しテジクッパ通りを目指して歩く。

 

文字通りテジクッパ屋がずらっと並ぶ通りで、適当に目に入ったお店に入る。

순대돼지국밥(スンデテジクッパ) ごはんおかわりして計10,000₩くらいだった気がする

汁を吸ったスンデがおいしい

 

浦項テジクッパ 포항돼지국밥

https://www.konest.com/contents/gourmet_mise_detail.html?id=5759

 

 

腹ごしらえを済ませたので少し歩く。西面駅の近くまで戻ってきたら、でっかいクレーン車がどっしり構えて何やら作業を行っていた。

どうやら割れた壁面ガラスの交換作業をしているようだ。地元のおっちゃんたちに交じって後ろで手を組みしばし見物をした。


 

釜田市場を抜けて釜田駅まで歩いてきた。

 

3月の訪韓時はここから東海行きのムグンファに乗って6時間半の長距離列車の旅に出た。

 

今日は東海電鉄線で1時間ほどの、太和江駅まで通勤型電車に乗車する。

日中30分ヘッドという本数の少なさもあってか、4両編成の電車は座席が埋まって立客が少々出る程度の混雑だ。

 

流石にもうちょい本数増やせないものか?と思うのだが、運転士不足を理由に現状のままらしい。

 

路線改良によって市街地を避けて山を突っ切るように通された新線は線形がとても良い。その代わりに景色も変わり映えしないが乗り心地は非常に良い。

 

 

乗客はほとんど減らないまま終点の太和江駅に着いた。

2021年の電鉄線延伸に合わせていかつい駅舎が建てられている。

 

2010年のKTX釜山延伸時に「蔚山」の名を奪われる形で太和江駅に改称している。

 

駅名泥棒もといKTXの現・蔚山駅はここからバスで40分程の山中にある。こういう強引さは日本には無いからちょっと驚いてしまう。

 

高速鉄道の開業で駅名を奪われる例なんてある?と思ったが、越前武生という子を思い出した。今はたけふ新というなんとも新しくない駅名で元気にやってるらしい。

 

 

 

釜山中心部に帰りたいが、また通勤電車に乗るというのは面白くない。ちょうどいい時間にムグンファ号がある。これで帰ろう。

 

券売機で切符の購入を試みるが、カードを認識できないのか決済が完了しない。諦めて窓口で切符を購入した。週末だからなのか空席が無く、立席券が手渡された。

 

 

ホームに降りると、釜田方に電鉄線の高床ホームが見える。太和江駅は電車と列車のホームが前後で分けられていて、両者は柵で隔てられている。

ソウルは清凉里からの長旅をしてきた1601列車、その終盤戦に便乗する。ホームは釜山に出かけるであろう蔚山の人々で賑わっている。

 

釜田駅まで1時間のデッキ旅が始まった。ドア窓からは釜山近郊の農村の風景が見える。

ムグンファのドアは非常に狂暴だ。品の無いブザーと豪快なバタンという音はデッキで隔てられた客席に居ても聴こえてくる。

 

余談だが、上の動画に映ってる機張駅は、内が電鉄線、外が列車線と分けられた2面4線の駅だ。東海電鉄線のムグンファ停車駅で見られる構造だ。次回の釜山訪問時はこの手の駅の構造もじっくり観察してみたい。

 

 

高架とトンネルを滑るように駆け抜けて、朝居た釜田駅に戻ってきた。ここで1号線に乗り換えて南下、中央駅で下車。幼少期の記憶を頼りに思い出の地へと向かう。

 

釜山は港町であり山の街。中心街からすぐに坂が始まりやがて階段になる。路面電車が残っていれば長崎みたいな街になっていただろうか。

目が合った

階段を登りきった先は釜山タワーが聳える龍頭山公園。釜山市民の憩いの場となっている。
タワーの麓で海を向いて立つのは、韓国の英雄 李舜臣銅像。朝鮮水軍を率いて日本軍と戦った将軍で、抗日のシンボルにもなっている。

 

ヒリつきの要素がある龍頭山公園は、KTX開業直後の2005年頃に家族旅行で訪れていた。釜山タワーに登るためにやってきたこの広場は今と同じようにご老人が集っていた。

 

 

そんな広場に入る時、母が当時幼稚園生の私に小声で伝えてきた言葉がやけに脳にこべり付いていた。

「ここにいるお年寄りの中には、いろいろあって日本に嫌な思いを持っている人もいる。あんまり日本語を聴きたくない人も居るだろうから静かに通ろう。」

そんなようなことを教えられた。その理由については後に歴史の勉強をしていくうちに結び付いたが、当時はおびえながらここを通った覚えがある。

 

ちなみに当時は、蹴ったら倒れそうなひょろひょろの細いタワーに登るほうがよっぽど怖かった。

 

 

チケットを買ってタワーに登った。港湾都市釜山を見下ろす。

タワー内部は幻想的な空間になっている。眺望を楽しめない日でも別の部分で楽しんでもらおうという心意気を感じる。

 

 

タワーを出てもう一つの目当ての場所へ。

テソンソジュのブランドショップがあると聞いてやってきた。

青と白を基調に港町らしい爽やかな感じにまとまっていてとても好み。

 

いろんなお土産がある。どれもちゃんとかわいらしい。

か、かわえ~~~

ソジュの瓶のぬいぐるみがあった。めちゃくちゃかわいい。小は14,000₩で手が届きそうなのも困る。キャップのクッションもいいよな~。

普通にソジュも置いている。

ぬいぐるみは荷物の都合上断念。栓抜きマグネット、弁当箱、その他諸々お買い上げ。

 

 

麓に降りてバスで釜山駅に向かう。そろそろいい感じの時間だ。

バスレーンが整備されていてスイスイと移動できる。

釜山はいいぞ

SRTに乗って釜山を離脱する。

 

SRTのチケットは外国人はネットから買えないので現地調達する必要があるのだが、週末の便は直前だと席が埋まっていて乗れない、なんてこともよくある。

 

 

どうしようかと悩んでいた訪韓2週間前、フォロワーがSRTのソウル側のターミナル、水西駅に居る旨のツイートをしていた。これは大チャンスだと思い、チケットを代理で購入してもらった。その節は大変お世話になりました。

釜山は何となく故郷のような感覚がある。

 

この街を離れるのは名残惜しいけど、今日の晩飯の待ち合わせ場所、ソウルへと向かった。