旅程未定

瀬戸内海を飲み干したい

ねこ

いつも通る公園の角のベンチ

 

 

そして大体いつもそのベンチにいる野良猫

 

 

 

 

冬の日も、夏の日も、わたしが退勤する時間帯は西日が射すベンチに佇んでる

 

 

 

 

 

”公園の主”の風格を漂わせるそのノラは、

 

非常にのっさりとした動作で、”よそ者”であるわたしに視線を向けてくる

 

 

 

 

「先輩への挨拶は欠かすな」

「先輩への挨拶は欠かすな」

「先輩への挨拶は欠かすな」

 

 

 

 

 

 

 

社会人になるときに、茨城のばっちゃから貰った言葉がフラッシュバックした

 

 

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フラッシュバックした土浦の風景(イメージ)

 

 

 

 

 

我が物顔でどっしり構えたあの姿は間違いなくわたしより格上

 

 

 

あいにくネコ語は心得ておらず、会釈程度しかすることは出来ないが、挨拶をして通り過ぎる

 

 

 

 

 

 

 

そんな主でも敵わない相手がいることを、最近知ってしまった

 

 

いつもの角のベンチに主の姿はなく、代わりにご婦人方の井戸端会議場になっていた

 

 

 

主はどこへ…と周りを見ると、ベンチから少し離れた場所に居た

 

 

 

 

占拠されたお気に入りの場所を眺める野良猫の丸い背中は、やけに切なかった